ニッポン高度紙工業株式会社

事業等のリスク

当社グループでは、持続的な成長と安定した経営を実現するために、リスク管理を重要な経営課題に位置付けて事業運営をおこなっております。
当社が認識する主なリスクは次の通りです。

1. 特定品目への依存について

当社は、経済産業省の「グローバルニッチトップ企業100選」に選定されております。主力のアルミ電解コンデンサ用セパレータは高い市場シェアを有しており、 世界の需要動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。特定品目の需要動向が全体に及ぼす影響を極小化できるよう、需要拡大が見込まれる機能材等を拡販するとともに、 新たな事業の創出をはかることで、業績の安定に努めてまいります。

2. 価格競争について

当社グループは、これまで顧客と築いてきた信頼関係をもとに、高品質・高信頼性製品を安定供給できることが大きな強みであり、成長市場での拡販に努めております。
アルミ電解コンデンサにつきましては、コンデンサメーカーにおけるグローバルでの競争が激しくなっており、将来的に当社のアルミ電解コンデンサ用セパレータ販売価格への下落圧力が強まる可能性があります。 機能材におきましては、リチウムイオン電池市場が成長しているものの、激しい価格競争の影響を受け、使用する部材の低価格化が進んでおります。
価格競争リスクが当社グループの業績に影響を与える可能性がありますが、今後も他社と差別化できる高品質・高信頼性製品の開発・拡販を進めてまいります。

3. 為替レートの変動による影響について

当社グループの製品販売および原材料仕入は、一部外貨建ての取引となっているため、為替相場の変動は、外貨建て取引により発生する資産・負債に影響を与える可能性があります。
為替相場の変動リスクを軽減するために、為替変動リスク管理規定を設け、為替予約や外貨建て借入等を実行できる体制となっておりますが、 完全に排除できるものではなく、為替変動リスクが当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

4. 原材料調達リスクについて

当社グループは、製品の主要原材料であるパルプの多くを海外から輸入しております。 気候変動や政情不安による供給不足が発生した場合に備えて原則2社購買とするとともに、供給不安が少ない原材料への切り替えなど安定調達および原材料在庫の確保に努めておりますが、 品質や需給悪化等の問題から調達コストの上昇や調達が困難となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

5. エネルギー価格変動による影響について

当社グループは、セパレータの製造において電力およびLNGを使用しております。省エネ効果が得られる設備投資や省エネ活動の推進によりエネルギー使用量の削減に努めておりますが、 電力およびLNGの価格変動が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

6. 設備投資による影響について

当社グループでは、ユーザーへの安定供給体制を確保していくため、需要予測にもとづく生産能力増強のための設備投資を計画的に実施しております。 製造設備の新設・増設には多額の設備投資を必要とする業態であり、減価償却費負担および借入金増加による支払利息の増加等により、一時的にグループの業績に影響を与える可能性があります。

7. 人材確保におけるリスクについて

当社グループの競争力を維持、向上させるためには、製品開発および製造等に必要な人材を安定して採用、確保し続ける必要があります。 当社グループは、「安全・健康はすべてに優先する」の基本方針のもと、健康経営を推進しており、「健康経営優良法人」に選定される等、働きやすい職場づくりに努め、人材の定着をはかっております。

8. 災害および感染症等による影響について

当社グループは、南海トラフ地震等の地震、台風や大雨等の風水害による自然災害および火災発生によるリスクを軽減するため、同時被災防止の観点で、 高知県内の3工場に加え、米子工場、マレーシアに生産拠点を分散するとともに、原材料および製品在庫を確保し、安定供給体制の構築をはかっております。
災害や感染症等の発生を想定した対策を実施しておりますが、災害等が発生した場合には、従業員の安全確保や原材料の確保、生産の継続等に支障をきたし、グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
また、当社グループでは、全社組織である「BCM推進会議」の運営を通じて、「従業員の安全確保」および「お客さまへの安定供給」のより全社的な推進・浸透をはかっております。 今後も、災害等を想定した訓練や早期復旧につながる保険付保等の対策に加え、グループ全体での生産体制の構築、サプライチェーンの強化に向けたBCMの実効性・実用性について評価・改善に取り組んでまいります。

9. 気候変動および企業の社会的責任に関するリスクについて

当社グループは、持続可能な社会の実現のため、地球環境への配慮・労働環境の整備・人権の尊重等に代表される企業の社会的責任を重要な経営課題と認識しており、 「購買方針」および「グリーン調達基準」を策定しております。また、気候変動に対する国内外の政策および法規制を踏まえ、重油と比較して温室効果ガス排出量が少ないLNGの使用、 太陽光発電設備の導入、再生可能エネルギー由来の電力を使用する等の取り組みをおこなっております。
しかし、脱炭素社会の実現に向けた政府の規制強化、サプライチェーンにおける人権に関する問題等が発生した場合、原材料の確保や生産体制等に支障をきたし、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

10. 情報セキュリティに関するリスクについて

当社グループは、技術情報等の機密情報や顧客等に関する情報を保有しております。外部への情報流出を防止するためのセキュリティシステム強化、定期的な社内教育の実施等の対策をおこなっておりますが、 コンピュータウィルス感染やサイバー攻撃等により情報が流出した場合、当社グループの社会的信用の失墜による企業価値の低下、情報流出により被害を受けた顧客等への補償により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。