家電製品から自動車まで、幅広い用途で活躍
ニッポン高度紙工業のアルミ電解コンデンサ用セパレータは、
業界のスタンダードとして、世界中で高い評価を得ています。
概要
アルミ電解コンデンサは、エレクトロニクス製品の重要な部品の一つであり、電気を利用する機器には必ずと言っていいほど使用されています。
セパレータとは、アルミ電解コンデンサの内部で、電解液を保持するとともに、短絡を防止することを目的として使用される紙です。
電解液を十分量保持するために、セパレータには電解液を保持できるだけの空隙が求められます。一方で、両極の短絡を防止するために、セパレータには高い緻密性が求められます。
このような相反する要求に対し、当社では、お客様との強固な信頼関係を背景として長年培ってきた技術により、多くの課題を解決してきました。

品質は工程でつくり込む
私たちは、「検査によって不良品を排除する」のではなく、製品工程に携わった者が責任を持つという考え方のもとモノづくりに取り組んでいます。不純物・異物も工程で徹底的に除去しており、車載などの高信頼性用途での実績も豊富です。
また、トレーサビリティシステムを導入しており、万一の際は、原材料まで遡って品質を確認することができます。
最も優れた商品を造り創る
私たちは、お客様のニーズに沿った製品開発・改良をし続けてきました。
その結果、200種類以上の製品ラインアップを実現しています。
〈中高圧アルミ電解コンデンサ用セパレータ〉
中高圧用には、高密度と低密度のセパレータを抄き合わせた高密度低密度2層セパレータが主に使用されています。この2層セパレータは高密度側で高耐電圧を,低密度側で電解液の保持をそれぞれ担っています。
高密度層
低密度層
〈低圧アルミ電解コンデンサ用セパレータ〉
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低圧用はさらなる信頼性向上のため、天然セルロース繊維だけでなく特殊レーヨン繊維を使用したセパレータも使用されています。特殊レーヨン繊維は叩解によって微細なフィブリルが発生し、緻密なセパレータを製造することができます。
中高圧、低圧ともにコンデンサの電圧やサイズ、用途などに応じて、様々な製品ラインナップの中から使用されています。 -
特殊レーヨン繊維使用
天然セルロース繊維使用
進化を続けるコンデンサ業界への挑戦
私たちは、従来のアルミ電解コンデンサ用セパレータで培った技術や知識を活かし、導電性高分子固体コンデンサや近年注目を集めているハイブリッドコンデンサ用のセパレータを開発しています。
成長を続ける市場のニーズを先取りし、セルロース繊維だけでなく、化学繊維を使用した製品も取り揃えています。
市場イメージ図

〈導電性高分子固体コンデンサ用セパレータ〉
導電性高分子固体コンデンサは、電解液の代わりに導電性高分子が使用され、従来のアルミ電解コンデンサと比べ、ESRが低く、良好な周波数特性や温度・電圧による特性変動が少ないことが特長です。
電解質や使用環境の違いから、従来のアルミ電解コンデンサ用セパレータよりも含浸性や耐薬品性、耐熱性の優れたセパレータを開発しています。
〈ハイブリッドコンデンサ用セパレータ〉
ハイブリッドコンデンサは、導電性高分子と電解液を共に使用するため、導電性高分子を用いることによる低ESR性能・高リプル電流対応と、電解液を用いることによるヒーリング機能との、両コンデンサのメリットを兼ね備えたコンデンサです。自動車のような、安全性と性能が共に高水準で求められる用途での使用が大幅に拡大しています。
ハイブリッドコンデンサに用いられるセパレータには、導電性高分子固体コンデンサ用セパレータと従来のアルミ電解コンデンサ用セパレータの両者に求められる特性を兼ね備えたセパレータを開発しています。
用途例
太陽光
エアコン
PC
テレビ
充電器
掃除機
洗濯機
冷蔵庫
EV用急速充電器・車
5G基地局